横瀬町保育所(横瀬町横瀬)が10月2日、日本ウオーキング協会指導の下、年少・年中・年長児20人を対象に「歩育プログラム」を行った。
5月の体力測定から、立ち幅跳びの記録が30センチほど伸びた児童もいる
同プログラムは5月から月3回程度、「幼児期からの運動遊びを普及する事業」として行っているもの。公立の保育施設で同協会のプログラムを採用するのは全国初。
同町は2021年10月、町民の健康増進や観光促進等を目的に「日本一歩きたくなる町」を目指すプロジェクトを始めた。ウオーキングコースを一般から募ったり、ウオーキング塾やウオークラリーを開いたりするなど、ウオーキング関連の企画を数多く実施している。
これまでシニア層のウオーキング活動の推進や、観光促進には成果が見られるが、幼児期や学齢期、若年期へのウオーキング活動の推進には課題感があることから、同保育所での取り組みが実現した。
当日は同協会の指導の下、歩育コーチの大野洋さんが講師としてプログラムを進めた。つま先立ちで歩く「キリン歩き」や、頭の上にハンカチをのせて落とさないように歩く「カッパ歩き」、ジャンプしてクッションの上を駆け抜ける飛石渡りなど「遊びながら」児童の体力づくりを行った。
横瀬町職員である大野さんは2021年12月に町のウォーキングリーダーの資格を取得後、自身のスキルアップとして同協会認定の歩育コーチの資格も取得したことから、保育所での講師を任されることになった。
「5月の体力測定から、立ち幅跳びの記録が30センチほど伸びたり、ブリッジができなかった子もできるようになったり、14回のプログラムの中でも成長している」と大野さん。
横瀬町健康子育て課の加藤あずささんは「幼い頃から瞬発力・柔軟性・筋力をつけて足裏の形成やバランス力をつけることで正しい姿勢で歩けるようになる。姿勢を維持できる筋力や体力ができてくると、集中力が上がるなどの効果も期待できる」と話す。
大野さんは「歩くことは最も手軽にできる運動なので、幼い頃から正しい姿勢を意識するのは良いことだと思う。年を重ねて筋力が落ちたり、骨が変形したりするなど、歩くことが難しくなってから『健康のために歩こう』と始めるのは大変なので、普段から歩くことを意識してほしい」と大人へも歩くことの大切さを呼びかける。
10月16日にはプロジェクトの締めくくりとして体力測定を行い、児童の体力向上や生活習慣などに効果があるかなど、データ分析を行う。