横瀬町の「オープン&フレンドリースペース Area898(エリア898)」(横瀬町横瀬)内に、秩父地域の木を使った合板だけで作ったミーティングブースが新たに設けられ、9月10日から利用できるようになった。
「IT技術で森林資源の循環利用を活性化する」プロジェクト「WOOD DREAM DECK(ウッド・ドリーム・デッキ)」の取り組みの一環で作られた同ブース。同プロジェクトは横瀬町の官民連携プラットフォーム「よこらぼ」に採択されており、今年6月には町内にある一棟貸し宿「ocomori(おこもり)」にサウナを作った実績もある。
同プロジェクトは「木を使ってしたいこと」のアイデアを募っており、横瀬町地域おこし協力隊の新堀桂子さんが「ミーティングブースを開設したい」とアイデアを出したのがきっかけだった。「エリア898や併設しているLACは、リモートワークで施設を利用する人が多い。『オンラインミーティングなどができるブースが欲しい』という要望が多かったので、このプロジェクトでかなえられたらと思った」と新堀さんは話す。
ミーティングブースは合板を加工した柱を組み立て、模様を彫り込んだ合板を壁にしている。合板は「たてラボ」(横瀬)にある「ShopBot(ショップボット)」で加工し、設計から加工・組み立てまで計7日間の作業で完成させた。作業に使う材料や工具の運搬は、LACの利用者も手伝った。
同プロジェクト発起人のTIS(東京都新宿区)の伊藤淳さんは「柱も壁も机も全て秩父の木材だけで作っているブースで、良いものができた。合板で柱も作ったのが今回のポイント。柱部分にはビスやくぎを使わず、宮大工なども用いる伝統的な金輪継(かなわつぎ)の技法で強度を持たせた」と話す。
伊藤さんは「地域の人たちからさまざまなアイデアが出ていて、今後は大人数で使える『形が変わる机』や、祭りのときに使う台車などを作る予定。森林資源利用を『環境のためにできること』ではなく、『自分のしたいこと』から考え始めてそれを実現することで、ポジティブな気持ちで活性化していけば」と期待を込める。
エリア898の開館時間は10時~18時。火曜・水曜と祝日は休館。利用無料。