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小鹿野町民歌舞伎劇場「盛夏彩小鹿野賑」 子ども向けに公開稽古

手本に見得を切る尾上松也さん

手本に見得を切る尾上松也さん

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 小鹿野町民歌舞伎劇場「盛夏彩小鹿野賑(なつのいろどりおがののにぎわい)」が8月6日、小鹿野文化センター(小鹿野町小鹿野)で開催された。前日の5日に行った公開稽古では、町内の小学3年生以上と中学生を招待し、287人の小鹿野町の小中学生が参加した。

小鹿野町歌舞伎講座で尾上松也さんに質問をする小鹿野子ども歌舞伎OB

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 小鹿野町役場新庁舎竣工記念で行う同公演は「歌舞伎のまち・おがの」をアピールするため、歌舞伎役者の尾上松也さんや市川蔦之助さんなどを招いて開催した。蔦之助さんは2018(平成30)年のロシア公演に小鹿野歌舞伎のメンバーと一緒にウラジオストクを訪れた縁もある。

 同実行委員会の会長を務める小鹿野町の森真太郎町長は「子どもたちに少しでも歌舞伎に触れる機会を設けてもらいたいという思いから公演を行い、9人の子どもと若者が舞台に上がることができた」と話す。

 参加した子どもの指導を行った松也さんは「若い頃から歌舞伎に触れているだけあって舞台上で見得を切っているのを見て、舞台度胸が座っていると感じた。飲み込みも早く、人前で演技をするのにも慣れている」と話す。

 蔦之助さんは「伝統芸能への関心の高さに関して、ヨーロッパでオペラを見たことがない人は少ないが、それに比べると日本は伝統芸能に触れる機会が少ないと感じる。子どもに歌舞伎に触れてもらって、『日本には歌舞伎という伝統芸能があるんだよ』と紹介できる大人になってもらえれば」と期待を込める。

 自身の幼少期について、松也さんは「自分も子役の頃から、たくさんの先輩に憧れて、家に帰ると先輩のまねをしていたことが多かった。そういった先輩たちとの縁を持てたことは本当にありがたい」と振り返る。

 蔦之助さんは「歌舞伎にもいろいろな型があって、型を習得してどんどん成長していくが、実際は型の中にも個性が出てくる。それを自分の好みで取り込んで、自分の基礎になっていく。それをまたまねをする人がいて…と、憧れから続いていくことが伝統芸能だと感じる。これは歌舞伎だけではなく大切なことだと思う」と話す。

 森町長は「小鹿野町にいる子どもは『小鹿野町歌舞伎・郷土芸能祭』などの祭り以外にも三田川小学校(飯田)では授業の一環で歌舞伎を体験したり、小鹿野中学校(小鹿野)では鹿中歌舞伎座という課外活動として取り組んでいたりする」と話す。「小鹿野に暮らす子どもにも故郷を愛する気持ちを。小鹿野に住み続けてもらえればうれしいが、町から離れる時が来ても、この町で暮らしたんだということを誇りに思ってもらえる町になれるよう務めたい」と期待を込める。

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