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横瀬町の森林課題に取り組むプロジェクト「ウッド・ドリーム・デッキ」始まる

横瀬町は森林が町の80%以上を占めている

横瀬町は森林が町の80%以上を占めている

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 「IT技術で森林資源の循環利用を活性化する」プロジェクト「WOOD DREAM DECK(ウッド・ドリーム・デッキ)」の検証が「国際森林デー」の3月21日、横瀬町で始まった。

代官山蔦屋書店では、関連書籍の販売や動画展示やアイデア募集なども行っている(4/3まで)

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 横瀬町は2016(平成28)年から、官民連携プラットフォーム「よこらぼ」を実施しており、企業や個人の挑戦したいプロジェクトを町がサポートしている。同プロジェクトは、よこらぼにTIS(東京都新宿区)の伊藤淳さんが提案し、採択された。

 日本は国土の7割を森林が占める「森林大国」。そのうち、人工林の多くは手入れが進まず、木が高齢化したり、痩せた木が増えたり、間伐した木が放置されたりすることも多い。一方、海外から輸入される木材との価格競争の影響などで、日本の立木は非常に安く取引されており、山主が木を伐採して販売しても赤字になるため再造林の割合が4割以下に留まるという。

 この課題に対して同プロジェクトでは、地域の木材を使った製品や体験にIT技術で付加価値を付け、地域の木の需要を増やし、利益を植樹や育林に還元する仕組みを目指す。web3などのIT技術を活用して森林資源利用の活性化を実現し、横瀬町をはじめとする森林の課題を抱えるその他の地域にも展開していく予定。

 横瀬町は森林が町の80%以上を占め、地域資源の有効活用と環境保全が町の課題になっている。検証では地域産の木材で作る製品、森でのレジャー体験などに対し、IT技術で販売券や利用券、貢献ポイントなどを発行する取り組みを試験的に実施していく。

 第1弾として、横瀬町の間伐材を使った合板でサウナを作る取り組みが始まる。合板は3月16日にオープンした「たてラボ」(横瀬町横瀬)で加工。町内外のサウナに興味があるメンバーでオンラインコミュニティーをつくり、作業していく予定だという。コミュニティー内で地域産木材の活用アイデアを出す人や、山林の整備やアクティビティーに参加・協力する人も募っていく。

 同プロジェクト発起人の伊藤さんは「数年前に横瀬町に移住して、日々の生活の中で森林が抱えている課題を目の当たりにしつつ、さまざまな可能性を秘めていることに気づいた。このプロジェクトでは、地球環境保全を『できること』ではなく『したいこと』を重要視している。参加者からさまざまなアイデアを募り、森の木を使った新しい仕事が生まれて、地域の経済と環境が守られ、日本の森の問題が少しずつでも改善できたら」と期待を込める。

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