秩父市役所で2月4日、「木育おもちゃの広場 ボランティア研修」が行われた。秩父市では「生涯木育」を合言葉に、さまざまなライフステージで木と触れ合うことで、「木の大切さや木材の利活用の必要性について広く知ってもらう取り組み」を進めている。「笑顔、にぎわいのあふれる町をつくりたい」という思いの下、秩父産木材などを使った「木育おもちゃセット」を無料で貸し出し「木育おもちゃの広場」を運用する事業を4月に始める。担当は秩父市産業観光部産業支援課。
秩父市のオリジナルのおもちゃセット「秩父市 Wooden Toy Set」には、秩父産材を使ったもの、埼玉県のおもちゃ作家の作品、秩父市の誕生祝い品「ウッドスタート」として配布されている木のおもちゃなど約70点が木箱(5個×2セット)に入っている。おもちゃ箱やパーテーションなどの什器も秩父産材を使用している。
「秩父市 Wooden Toy Set」を活用して木育や木材利活用のPRをすることに関心のある参加者を募集したところ、研修当日は14人が受講した。
秩父市と協働で事業を行う「芸術と遊び創造協会/東京おもちゃ美術館」ディレクターの岡田哲也さんは、おもちゃの遊び方について、「遊び方は一つではない。『このおもちゃはこのように遊ぶもの』と決めつけず、子どもが見つけた『遊びのタネ』を一緒に楽しもう」「まずは自分で手に取って、そのおもちゃの楽しいところを見つけて『楽しみのお裾分け』をしよう」とレクチャーした。
秩父市森づくり課による秩父地域の森林の循環利用に関する実情説明や、おもちゃ作家らの思いを実際に聞く時間も設けた。えとき工舎・中村恵美子さんは「木のぬくもりを触って感じてほしい。木にもさまざまな種類があるので、それぞれの違いを楽しんで」、mamamanoの江端三香さんは「五感が大事。香りや手触り、木目の美しさを楽しんでほしい」、森画(モクモクキカク)のアダチユミコさんは「遊んでいるうちに傷がついたり汚れたりするが、それが味になり記憶として残るのが木ならではの良さ」と話す。
同内容の研修は2月18日10時~16時にも行う。研修無料。定員20人(先着順)。会場は市役所本庁舎内会議室。秩父市外在住でも申し込み可能。「木育おもちゃの広場」の企画運営に携わるためのリーダー研修は3月12日10時~16時。定員20人(先着)。3月21日には、秩父地場産センター(秩父市宮側町)で実践研修も行う。