秩父の「中蒔田 富田農園」(秩父市蒔田)が11月23日、イチゴ狩りを始める。秩父地域では最も早いスタートとなる。
同園8代目の富田正明さんは「10年くらい前は『いいイチゴ』にちなんでと、11月15日にオープンしていた。当時は『日本で一番早くイチゴが収穫できる』とも宣伝していたが、今では春から秋にかけて長い期間収穫できる『四季なりイチゴ』もあるため、日程にこだわらず2019年からは11月23日に始めることにした」と振り返る。
イチゴの収穫が早く行えるのは開花調整を行っているため。「イチゴは花が咲いてから約40日で実ができるので、オープンに合わせて調整している。既に次年度に向けてイチゴの親苗を育てており、親苗からできたつるを再びイチゴ狩り用の苗として7月頃に育てていく。予備も含めて1年で8万株のイチゴを育てている。手間は多いが収穫期間は長い」
富田農園は、創業から今年で61年目。秩父で2番目に古いという。創業当初は米と蚕、豚、キュウリを育てていたが、7代目の富田幸寅さんが「田んぼのぬかるみに入るのが嫌」という理由から、田んぼをイチゴのビニールハウスに変えた。現在はイチゴと桃とプラムを育てている。
11月23日に食べられるイチゴは4品種で、12月下旬になれば同園で育てている9品種になる。「今年も順調にいいイチゴが育っている。1969(昭和44)年に『女峰』という品種が出てきてから徐々に甘いイチゴの品種が増えてきたが、当園では昨年から比較的甘味を抑えた品種『東京おひさまベリー』も作っている。さまざまな味の一つとして楽しんでもらえれば」と正明さんは話す。
「当園は時間制限なしでイチゴ狩りができるのと、全てのハウスを自由に回れるのが特徴で、ありがたいことにリピーターも多い。ゆっくり食べたり写真を撮ったりして楽しんでもらえれば」とも。
イチゴ狩りの料金は、4月10日まで=中学生以上2,500円、小学生以下・65歳以上1,800円、3歳以上小学生未満1,000円、4月11日~5月末=中学生以上2,000円、小学生以下・65歳以上1,500円、3歳以上小学生未満1,000円。
営業時間は9時~(当日分のイチゴがなくなり次第終了)。予約なしで利用可能。イチゴの販売も行っている。イチゴ狩りは来年5月末までを予定。