武蔵野美術大学「旅するムサビプロジェクト(通称=旅ムサ)」の学生たちが8月30日~9月3日、東秩父村でアートウイークイベントを開いた。
旅ムサは、同大生が全国の小中学校を訪れ「本物の美術に触れてもらう」活動。東秩父村などから「アートで村おこしをしたい」と要請されたのに応じ、1~4年の学生5人が訪れた。
学生たちは空き家にシャッターアートを描いたり、東秩父中学校の生徒たちと学生の作品を鑑賞しながら自由に意見を交換し合ったり、村特産の和紙で作った「和紙てんと」の絵付け体験や写真と石こうを用いた「石こうアートワークショップ」などを行ったりした。
「道の駅和紙の里ひがしちちぶ」の隣にある民家のシャッターを使って行ったシャッターアートでは、縦約2.5メートル・横約5メートルのシャッターに大きなタンポポ、アザミ、エノコログサなどをペンキで描いた。民家の前には、近所の人たちが茶やおやつなどを持って次々に訪れ、描く様子を見ながら学生に声を掛けていた。
シャッターアートを中心となって描いた工芸工業デザイン学科4年のツルタシュリさんは「タンポポなどの草を人の背丈より大きく描いたのは、子どもになった気分で自然を等身大で感じてほしいと思ったから」と話す。リーダーで彫刻学科2年の高野桜欄さんは「1週間も住み込んでの活動は貴重な体験で、挑戦の気持ちでワクワクしながら参加した」と話し、メンバーらは「東秩父村は水や空気がきれいで、すごくいいところ」とも。
イベントを企画した東秩父村企画財政課の内野健太さんは「村第1号のシャッターアートになった。学生ならではの取り組みが村の活性化のきっかけになれば。このようなスポットが一つずつ増えるよう、来年以降も続けたい」と期待を込める。