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家族10人で作成し祖母から託された「きょうだい文集」 長瀞で展示

文集を所有する中村さん

文集を所有する中村さん

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 長瀞駅から徒歩4分、国道140号線沿いにある長瀞町のコワーキング・コミュニティースペース「UPDRAFT(アップドラフト)」(長瀞町長瀞、TEL 0492-53-9222)で7月21日から、中村寿さんが亡き祖母から託された「きょうだい家族文集『おおでまり』」全12巻が展示される。

家族10人で作成した「きょうだい文集」

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 「きょうだい家族文集『おおでまり』」は、1977(昭和52)年12月28日~2001(平成13)年3月1日の24年間に中村さんの祖母・福島良子さんの兄弟姉妹が10人集まり計12巻の文集を作成したもの。

 きっかけは良子さんの母・ツチさんが亡くなる際、「兄弟姉妹、仲良く暮らしなさい」と言い残したこと。遺言を守るかたちで「何か後世に残せないか」と文集の作成を始めた。文集はツチさんが好きだった花の名前にちなんでいるという。

 文集の内容は、当時のニュースや自作の俳句、詩、短歌などを中心に、10人がそれぞれに過ごした戦時中の記憶など。長瀞で1909(明治42)年~1933(昭和8)年に生まれた兄弟姉妹10人が、それぞれ文章を寄せ合い、文集に仕上げている。

 文集を所有する中村さんは、良子さんが元気なうちに「これは私の宝物だから、分かるところに置いておいてほしい」と段ボールを預かっていた。2019年春に良子さんが亡くなり、預かっていた段ボールを開けるとビニール袋に密閉された文集が入っていた。

 中村さんは「祖母の大切にしていた宝物がお金や宝飾品ではなく、家族とのつながりや記憶などだったことに気づいた。きれいに保管された祖母の宝物を、何らかの形で世に出したいと思った」と当時を振り返る。「2020年初旬に寄居町で展示したが、その後、コロナ禍で展示することを諦めた。少し落ち着いてきた今、祖母やその家族の思いや経験を広められればと祖母の故郷で展示を企画した」とも。

 営業時間は11時~18時、火曜・水曜定休。コワーキングとして施設を利用する場合は有料だが、展示を見るための来場は無料。8月15日まで。

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