長瀞町の地産品専門店「万寿庵」(長瀞町長瀞)が4月25日、オリジナルクラフトチップス「長瀞ポテトチップス 鮎(あゆ)の燻製(くんせい)風味」とクラフトビール「NAGATORO ALE セッションヘイジーIPA」を発売した。同商品は同店と地域観光Lab.がコラボで開発した。
地域観光Lab.は2021年4月に発足。「『思いをカタチに』をテーマに地域観光の未来を考え、集い、実現するグループ。一人一人の思いやアイデアを大切にし、その実現に向けてサポートを行っている」という。
参加希望者は地域、所属、役職にかかわらず参加でき、メンバーの上下関係や既存権益を持ち込まず、フラットに意見ができるグループとして活動している。プロジェクトに参加することもできれば、思いつきのアイデアを誰でも提案することが可能で、今回の「長瀞ポテチ計画」と「長瀞ビールプロジェクト」もその一つ。
同プロジェクトを提案したのは万寿庵3代目の井上裕羽也さん。「長瀞の食文化を発信したい」と約70年前に井上さんの祖父が開業した同店。井上さんは大学から都内で過ごし都内の広告会社に勤務した後、2012(平成24)年に秩父に戻った。
プロジェクト発足のきっかけについて、「『長瀞はいいところだがオリジナルの土産物が少ない』とよく耳にしていて、何かできることがないかと、自分が好きなポテトチップスとビールはどうかと提案した」と井上さんは話す。
同グループ内でメンバーを募り、メニューを考案。試食を重ね、1年ほどで完成させた。ポテトチップスの味を選ぶ際、当初はホルモン味やキャンプカレー味などの案もあったという。クラフトビールは秩父麦酒(秩父市下吉田)と協働した。
井上さんは「イメージは長瀞らしさで、食べ歩き、岩畳、散歩など。低アルコールで柑橘系の香りがするホップを選び、苦味の少ないクリアな味を目指した。クラフトビールを初めて飲む方にもとっつきやすく、しっかりした濁りとホップが利いていて、そばと一緒に食べ合わせても良いし、岩畳の青空の下で飲んでも気持ちがいい」と話す。
「今回完成した商品が旅の思い出話のネタになり、長瀞の土産として浸透していってもらえれば。実現可能かは分からないが、将来は長瀞でホップを育ててビールを造ってみたい」と意気込む。
価格は、長瀞ポテトチップス=410円、NAGATORO ALE=690円。万寿庵で扱う。営業時間は9時~17時。