西武鉄道・横瀬駅から徒歩8分の場所に5月20日、「LivingAnywhere Commons横瀬(リビング エニウェア コモンズ、通称=LAC横瀬)」(横瀬町横瀬)がオープンする。
「LAC横瀬」コミュニティマネージャーの新堀さんと「Area898管理人」の大野さん
同施設は今年2月末までJAちちぶ横瀬支店として営業していたが、移転に伴い施設が遊休資産化することや、人の流れが途絶えてしまうことを懸念し、施設の活用方法を模索していた。
JAのふれあいプラザとして相談機能も残しつつ、LAC横瀬としてリノベーションすることで、テレワークやワーケーションなどの拠点として活用でき泊まることもできる。隣には2019年にオープンした「オープン&フレンドリースペースArea898(エリアはちきゅうはち)」があり、LAC横瀬とともに町の内外をつなぐ新しい交流スペースとなる。
LACは「LIFULL(ライフル)」(本社:東京都千代田区)が提供するコワーキングスペース付きコミュニティ施設で、現在、全国に33の拠点がある。「場所やライフライン、仕事など、あらゆる制約に縛られることなく、好きな場所でやりたいことをしながら暮らす生き方『Living Anywhere』をともに実践すること」を目的としている。コミュニティのメンバーになると全国の拠点が泊まり放題になり、ワーケーションやロングステイなどライフスタイルに合わせて自由に使える。
LAC各拠点には人と人をつなげる「コミュニティマネージャー」が在籍し、LAC横瀬では地域おこし協力隊の新堀桂子さんが、その役割を担う。
新堀さんは熊谷市出身。大学を出てからは都内で勤め、家族と暮らしていた。定年を前にして別の仕事を探していたところ、横瀬町の地域おこし協力隊の募集を見つけた。8年ほど勤めていた会社がコミュニティスペースを運営しており、横瀬町でもその経験が生かせるのではないかと感じたこと、都会から自然がある環境に移りたい気持ちや、熊谷の実家にも帰りやすいことなどが応募のきっかけになったという。
新堀さんは今年3月、地域おこし協力隊に着任し、LACのコミュニティマネージャーを担当することになった。「着任したばかりの自分にできるのか心配な部分もあったが、Area898の管理人の大野さんが横瀬町を案内してくれたり、横瀬町の人たちと関わったりしながら少しずつ町のことを勉強している。オープンに向けて地域の方にお試し宿泊などをしてもらいながら着実に準備をしている」と話す。
大野さんは「この施設をきっかけに横瀬町に初めて来る人も居ると思うので、新堀さんと一緒にLAC横瀬とArea898の利用者や地元の住人をつなげるような役割を担っていけたら。『横瀬町にまた来たい』と思ってもらい、ゆくゆくは移住を考えるきっかけの場所になれば」と期待を込める。
5月21日はオープニングイベントとして「おひまちマルシェ」を10時~15時で開催予定。「宇根太鼓連」の子どもたちによる太鼓演奏や地元の作家によるマルシェ、自由参加で子どもと地元アーティストの加藤健太さんが作品を仕上げる黒板アートなどを行う。
LACの宿泊料金は、月額2万7500円で全国の施設を利用できる定額払い、1泊6600円(ドミトリー)と7,000円(2名用個室)の都度払い、5回分の宿泊に利用可能な回数券2万7500円の3つのプランを用意する。