秩父に4月23日、カフェ「yotte KEiNA(ヨッテケイナ)」とプライベートキャンプ場「nete KEiNA(ネテケイナ)」を併設する「KEiNA CHICHIBU(ケイナチチブ)」(秩父市田村)がオープンした。「秩父の自然により近く、自然を食べる」をコンセプトに掲げ、店名は秩父地域の方言「〇〇してけぃな(〇〇していって)」に由来する。
キャンプはコテージ泊とテント泊ができ、テントはレンタルも持ち込みにも対応。1日1組限定のプライベートキャンプ場で、カフェスペースも貸し切りで使え、目の前にある畑で野菜を収穫したり、バーベキューを楽しんだりと農泊体験ができるキャンプ場となっている。
店主の今山実穂さんは「生まれも育ちも秩父で、都内で働いていた頃から将来は秩父で働きたいと思っていた。都内で会社員として働けば働くほど、秩父に帰りたいのに帰るハードルがどんどん高くなるように感じ、2020年12月頃から、開業に向けて2拠点生活をしながら複数の店舗で調理やバリスタの修行をするなど準備してきた」と振り返る。
店の設計は今山さんの夫が手掛け、運営は家族で行っている。カフェとキャンプ場を併設してオープンしたきっかけは、今山さんが料理とキャンプが好きだったことから。
「カフェとキャンプ場は山の中のロケーションを利用していて、秩父に戻って働く時に、地域に価値を提案していきたいと感じていた。秩父の雄大な土地のポテンシャルを考えた時に、魅力の一つが農地だと思い、もともと両親が耕していた畑を拡充し多種多様な植物を育て始めた」と話す。
ランチセットのサラダとハンバーガーに含まれる野菜は20~25種類で、その多くは自家栽培の無農薬野菜を利用している。ハンバーガーの肉は岩手門崎牛、バンズは「パーラー江古田」のパン、コーヒーは小鹿野町の毘沙門水で入れるスペシャルティコーヒー。ランチメニューは添加物を一切使わず、ドレッシングも自家製のものを提供する。ランチはオープンテラスで食べることができる。
「自然の恵みや素材の味を感じながら食べてもらうため、味付けもシンプルに提供している。秩父の野菜を食べて『野菜っておいしいんだな』と感じたり、秩父で作られる野菜のレベルの高さを感じたりもする。耕作放棄地も増えている中、元々農地だったこの場所で、採れたての野菜を食べながら人がとどまってくれるようなきっかけ作りができれば」と期待を込める。
キャンプの宿泊料金は時期や利用人数によって異なる。コテージ泊=9,831円~テントレンタル泊=8,731円~、持込テント泊=4,881円~。(以上、大人素泊まり料金。追加4,950円で1泊2食付きに変更可能)要予約。カフェの営業は土曜・日曜の11時30分~15時。