秩父鉄道が3月、SLパレオエクスプレスで行う結婚式「SL PALEO EXPRESS Wedding（エスエル パレオ エクスプレス ウェディング」の受付を始めた。

SL車内での撮影もできる

　｢人生で一番しあわせなふたりの出発を、時と人を紡いで走るSLパレオエクスプレスで｣をコンセプトに、1944（昭和19）年に製造された蒸気機関車「C58363」と1960～70年代に製造された12系客車、三峰口駅にあるSL転車台公園を活用したウェディングを提案する。

　普段入ることのできない広瀬川原車両基地でのフォトウェディングを楽しんだのち、熊谷駅を参列者と共に出発し、SL車内では自由に過ごせる。ケーキ入刀や演奏などはプランナーに相談し、さまざまな演出に応じる。オプションで、屋外のSL転車台公園でウェディングセレモニーが行える。

　このウェディングプランの検討が始まったのは昨年1月。コロナ禍になり、ウェディング自体が中止になるカップルもあり、同社で「新しいウェディングを提供できれば」と考えたことがきっかけだったという。同社企画部の福田有理恵さんは「鉄道施設を使ってのプランのため、安全面も十分考慮している」と話す。

　秩父鉄道の沿線地域を盛り上げたいという思いもあり、サービスは沿線の企業が行う。秩父市大宮にある「ナチュラルファームシティ農園ホテル」とも連携し、SLに乗った後にホテルでの挙式もできる。

　サービス提供開始に向けて昨年6月、模擬挙式を行った。福田さんは「自然あふれるSL転車台公園での開催だった。SLに乗って移動しながら、SLの音や匂いも含め五感で楽しめる結婚式だと感じた。SL乗車という体験をゲストにも一緒に楽しんでもらえ、一体感を味わえる温かい式になった。パレオエクスプレスに思い入れのある方もそうでない方も一緒に、SLを通して喜びを運べれば」と期待を込める。

　フォト＆車両貸し切りプランは43万9,625円～。料金には、美容着付け料（新郎・新婦）、SL貸し切り料（1両）、オリジナルSLヘッドマーク、結婚証明書、写真（データ渡し）が含まれる。SLは料金を追加すればで最大4両まで貸し切れる。1両の目安はプランにより20人～50人。フォトプラン（38万4,625円～）もあり、2人の名前が入ったヘッドマークは式の後に持ち帰ることができる。