みそぽてと本舗(秩父市栃谷、TEL 0494-25-0030)が2月、スーパーマーケット「ベルク」の全126店舗で、家庭向け冷凍食品「みそポテト」の販売を始めた。
秩父地方では、農作業の合間や小腹がすいた時に食べる「小昼飯(こぢゅうはん)」と呼ばれる郷土料理がいくつかあり、みそポテトもその一つ。一口大に切ってふかしたジャガイモに、小麦粉を水で溶いた衣をつけて油で揚げ、甘いみそダレをかければ完成する。
2009(平成21)年に秩父市で開催された「埼玉B級ご当地グルメ王決定戦」で「みそぽてと本舗」が優勝して以来、みそポテトの知名度が向上した。家庭だけではなく秩父地域の料理店など、さまざまな場所で販売されることも多く、店によってみそダレの味付けやジャガイモの形状や調理法などが違うため、シンプルながらも違う味わいを楽しめる。
1973(昭和48年)の創業の同店は当初、新井肉店として中宮地町で営業していた。1977(昭和52)年に総菜部門を設立し、みそポテトの販売を開始し、冷凍食品のみそポテトの製造販売を始めたのが1993(平成5)年。同年には業務用冷凍みそポテトの製造販売を始め、それ以降スーパーの総菜売り場や道の駅を中心に販路を広げてきた。
埼玉B級ご当地グルメ王決定戦が行われた翌年、社名を「みそぽてと本舗」に変更した。
より多くの人に普段使いがしやすいようにと昨年8月、ベルクの冷凍食品売場で「家庭向け冷凍みそポテト」の販売を開始。ベルクでの販売当初は埼玉中心で20店舗ほどだったが、同年11月に新工場の稼働を始め、増産体制も整えたことからベルク全店販売へと拡大した。
商品は約10個のポテトと特製みそだれがセットになっており、ポテトを油で揚げるか、電子レンジとトースターで調理したものに同梱のみそダレをかける。味の種類は甘みそとゆずみその2種類。
専務の新井真さんは「コロナ禍前から、みそポテトの需要が増えてきており、全店舗での取り扱いを希望する声を多く頂いた。工場を新設し体制を整えたことで、より多くの人に届けられれば」と話す。
「みそポテトを食べられる場所が少なかったのが、より多くの人に食べられるように、秩父で食べ損ねた方や、なじみのない方にも知ってもらえれば」と新井さんは期待に胸を膨らませる。
店頭販売価格は430円。