幼少期からダンスを学び、ダンスと共に生活してきた秩父市出身のダンサー筒江瑠奈さん(23)が今年夏、憧れの米国NFLダンサーオーディションに再挑戦する。
筒江さんは6歳の時に、地元ダンスチームのダンスを見て興味を持ち、スタジオフィッツ(秩父市大野原)に通い始め、講師の野口菜美さんの指導を受けるようになった。週3日ほどのペースでレッスンを受けるほど熱心に取り組んでいた。市内の県立高校卒業後は、飯能市にある大学に進学し韓国語を学んだ。大学在学中の2018(平成30)年、チアリングインターナショナルでアルバイトのダンスインストラクターとして子どもたちにチアやダンスを教えていた。以降はカンパニーマネジャーとしてスタジオ運営を担当しながら、ダンサーの活動を広げている。
幼少期からダンスをしているため、8歳で初めて海外舞台踏み、その後、平昌五輪公式公演、韓国江凌市青少年芸術祭、上海観光国際祝典などの海外公演などを行ってきた。言葉の通じない観客が自分たちのダンスパフォーマンスを見て、片言で手を取りながら「ありがとう」「素晴らしい」「サンキュー」など感謝を伝えてくれた。「言葉の壁を越えてたくさんの人に感動を届けられる存在になる」と決意し、将来は海外を拠点に活度するダンサーになりたいと考え、世界共通語である英語を独学で学び、秩父市英語弁論大会優勝、埼玉県大会ではベスト8の成績を残した。
米国NFLダンサーに応募するきっかけは、NFLチアリーダーだった同社の中山麻紀子社長に影響を受け、いろいろな話しを聞くうちに憧れに変わり、昨年夏にバーチャルで開かれたオーディションに参加した。総勢200人以上の中からファイナリストまでに選ばれたが、コロナ禍の影響で渡米が困難だったため辞退した。今年夏、オーディションに再挑戦するため、渡米に向けてオーディションの準備を進めている。
講師の野口さんから、瑠奈さんの年代は「とても負けず嫌いで頑張る子」が多かったので、互いに競いレベルアップしていた。子どもたちには「地元だけでは向上心が止まってしまうので、いろいろな所に出て行ってダンスコンテストや公演など参加して体感するように」と教えてきた。「公演やダンスコンテストの前は深夜までレッスンすることもあり、その成果が数々の成績を残してきている」と話す。
筒江さんによると、「この大変な世の中でも何とか乗り越えてこれたのも、幼少期から厳しいレッスンや指導、礼儀など教えていただいた野口先生のおかげ」、教わる側から教える立場になってみて、レッスンでの教え方、海外公演やコンテストに向けての準備の大変さに気付かされた。「現在は秩父市内などのイベントもなく、ダンスパフォーマンスなど発表の場もなく大変だが、自分のやりたいことを諦めないで続けてほしい。続けることで教えてもらった方への感謝になると思う」と話す。