横瀬町のパン店「のぞみ工房ぽっぽ横瀬店」(横瀬町横瀬、TEL 0494-26-6613)で11月17日、「世界に1つだけのパンコンテスト2021」の表彰式が行われた。
同コンテストは、10月7日で2周年を迎えた「ちちぶエフエム」2周年企画の一環。同局は、作品をファクスで募集した。
コンテストは「自由部門」(=あなたが考えるとっておきのパン)と「ちちぶパン部門」(=秩父名物食材を使ったパン)の2部門で、「のぞみ工房ぽっぽ」のぽっぽ賞、「ラパンノワールくろうさぎ」のうさぎ賞の2賞を用意し、87通の応募があった。
ぽっぽ賞に選ばれたのは、ジャムとパン生地が重なって断面が小鹿野町のようばけの地層をイメージさせる「ようばけパン」、小鹿野町を中心に秩父地域で注目を集める完熟カボスを使った「秩父黄金かぼすのクリームパン」、秩父産の茶を生地に練り込んだ「秩父茶使用!!あおむしちぎりパン」の3作品。
ぽっぽのスタッフで応募用紙を回覧し、考案者の思いを考えながら作品を絞り込んだ。審査と受賞者へ渡すパンの製作を統括した主任の黒澤秀一さんは「普段からぽっぽでは、他の店が作らないようなパンを作っているが、どんな作品が集まるのか応募作品を見るまで緊張が止まらなかった。受賞作品が決まってからは、うまく作品を実現できるかが心配で他の仕事をしている時もずっと考えていた」と苦労を明かす。
中でもグランプリに選んだ「ようばけパン」は、5回の試作を繰り返したという。「ジャムと生地の層が特徴だが、ジャムは水分量が多いと空洞になりやすい。層を作りやすい専用のジャムを使っても、焼いているうちに飛び出したり型にくっついたりと失敗が続いた。それでも応募作品に近づけるためにジャムの量を増やして層を強く出せるよう努めた」
応募作品の中には細かくレシピが指定されているものもあり、「秩父黄金かぼすのクリームパン」の中に入っているカボスクリームは応募レシピ通りに作った。パンの知識を持っている人と、そうでない人が同じコンテストに応募しているのも新たな刺激になったという。
なるべく応募作品通りに作るようにしていたが、あえて異なる作り方をしたのが「秩父茶使用!!
あおむしちぎりパン」だ。青虫の胴体を秩父産の茶を練り込むこと以外指定がなかったため、パンの中に餡(あん)、チョコクリーム、カスタードクリームを包み込み、食べる度に違う味がするよう工夫した。
受賞作品は来年1月頃、同店で期間限定で販売する予定。詳しくはSNSで知らせる。
営業時間は10時30分~16時。土曜・日曜定休。