秩父市大滝の「光岩園地」で11月14日、地元木工職人が指導して「すのこ」を作る木工体験会が開催された。
光岩園地は、荒川上流にある秩父湖(二瀬ダム)の堆積土砂の排出先として整備され、現在はイベントなどで利用されている。紅葉シーズンは観光案内と休憩などで利用できるように開園している。秩父市観光協会大滝支部や地元住民により、うどん、けんちん汁などの飲食物や地元産の野菜などの販売も行われている。
木工体験会を企画した「奥秩父源流元気プロジェクト」は、環境省「令和2年度(補正予算)国立公園・温泉地等での滞在型ツアー・ワーケーション推進事業費補助金」で、国道140号線沿い荒川側やハイキングコースなど大滝地域の道の整備、サイクリング、木工体験、お祭り参加、イベント企画などに取り組んでいる。
講師は、地元在住で旧大滝小学校を借りて活動する「ヨロズ国産木材」代表の高橋優さん、国産材にこだわり、家具や小物を作成している。今回のヒノキとヒバは大滝産を使用。会場近くで伐採され枝を付けたまま乾燥することで適度に水分が抜け、木材本来の良さが出るという。
体験者は小さな子ども連れのお母さんと若夫婦。高橋さんから寸法、木の切り方、釘の打ち方などを教わった後に「すのこ」を作り始め、周りの人もアドバイスし、試行錯誤しながら完成させた。
同プロジェクトの立川肇さんは、「コロナ禍でイベントがやりにくい中、観光協会大滝支部が観光案内イベントを開き、木工体験で観光客や地域の方に少しでも体験していただけたことがうれしかった。大滝は国立公園になるくらいの自然豊かな場所。環境保全しつつも観光客の皆さまには「来て良かった」と思っていただけるような『おもてなし』を今後も考えていきたい」と話す。