秩父の矢尾百貨店(秩父市上町)で10月21日から、皆野町の「木工房ナガリ家」(皆野町金沢)が第18回木工展・個展「荒川の流木を生かして」を開催する。
木工房ナガリ家は、注文家具や木の小物などを、イスラエル出身で日本在住約40年のダニー・ネフセタイさんと群馬県前橋市出身で妻の吉川かほるさん夫婦が作品作りに取り組んでいる自営の工房。2004(平成16)年以降、毎年同店で木工展を開き、年により「ちゃぶ台」「椅子」などのテーマを決めて開いている。今年のテーマは「流木」。期間中、家具20点、時計25点、小物100点を展示販売する。
2019年の台風19号は秩父地域にも生々しい爪痕を残し、荒川には多くの流木が漂着した。荒川から漂着した流木を拾い集め、工房で家具の製作に十分耐える素材となるように自然乾燥しながら保管。製材した無垢の木より荒削りの流木は個性が豊かで、「これを使って何を作ろうか」と一本一本と向き合い、「第二の人生」となるように思いを椅子やテーブル、時計の作品に込め、一つ一つに名前を付けている。家具の表面には、食品と同レベルの高い安全性があり、素材にしみ込んで「木の呼吸」を妨げないという自然塗料を塗布している。
ダニーさんの実家は農家で必要に迫られて大工仕事をしていた。来日して家具などを作りたいと思い、神奈川県内の家具工房で基礎を約3年間学んだ。製作活動を田舎でと考え東京と吉川さんの実家の前橋の中間くらいで探していたところ、秩父が気に入り30年ほど前に移住し製作を始めたという。20年前くらいに現在の場所に移り、自宅はログハウスで、工房とショップを併設する。
開催時間は10時~19時(最終日は17時まで)。今月25日まで。