秩父地域で12年に1度の「秩父札所午歳(うまどし)総開帳」が始まった3月18日、じばさん商店(秩父市宮側町)が矢尾本店の日本酒「秩父錦」の発売と、ベンチャーウイスキー「イチローズモルト」の購入権を賞品とした企画を始めた。秩父地域おもてなし観光公社が主催するデジタルスタンプラリー「めぐラリー」も活用し、お酒を入り口に新たな層への周知を図る。
同店支配人の亀井学さんは、前職でホテルに勤務していた時代を含め、今回で3度目の総開帳を迎える。亀井さんは「約30年にわたって巡礼者の変遷を見てきた。かつては団体バスツアーが主流だったが、現在は個人客が主体となり、参拝の目的も多様化している」と話す。
企画商品は2種類を用意。ウイスキー「Ichiro's Malt & Grain 令和8年 午歳総開帳記念ボトル」は、同社のブレンダーが行事をイメージして仕上げた唯一無二のブレンドで、238本をボトリングした。日本酒「秩父錦 秩父札所 午歳総開帳記念ボトル」は、秩父産の米「キヌヒカリ」を使用。埼玉で作られた「埼玉i(リンゴ酸)酵母」を使い、フルーティーな味わいに仕上げた。いずれもボトルの裏面には秩父札所連合会のロゴが入り、公式商品であることを示している。
ラベルデザインは「malme.design(マルメデザイン)」の吉田武志さんが担当した。白と黒の対になるラベルの中央には円形のモチーフを採用。吉田さんは「特殊な箔(はく)押し技術を用いたグラフィックで、見る角度や光の当たり方で表情が変わる。巡礼中に見る風景が人によって異なるように、見る人の心境に合わせて表情を変える抽象的な表現を目指した。バーの棚でも目を引くシンプルで強いデザイン」と話す。
亀井さんは「札所連合会からは、デザインについて、『秩父の山河や雲海、巡礼者の心を映し出す鏡など、多様な解釈ができるもの。歩く人ごとに祈りの形があるように、デザインに唯一の正解はない。自由な解釈の中に自分だけの光を見いだし、観音様との縁を感じてほしい』とコメントをもらっている」と明かす。
購入方法は商品ごとに異なる。日本酒は店頭で300本限定販売。ウイスキーは「めぐラリー」で札所34カ寺全てのスタンプを集めることが応募の条件。応募者の中から抽選で100人に購入権を付与し、12月に同店で販売を予定している。商品の発送には対応せず、当選者は直接同店を訪れて購入する必要がある。
ウイスキーのボトルは秩父地域のバーや飲食店約10店舗で提供が始まっており、今後、提供店を広げていく予定。亀井さんは「34カ寺を巡るのは容易ではないが、まずは気軽に飲食店やバーで、この味を楽しんでほしい。お酒を入り口に秩父を知ってもらい、札所を巡るきっかけになれば。じばさん商店では20アイテム以上の札所関連グッズをそろえた特設コーナーも設けている」と呼びかける。
販売価格は、「秩父錦 秩父札所 午歳総開帳記念ボトル」(720ミリリットル)=2,800円。「Ichiro's Malt & Grain 令和8年 午歳総開帳記念ボトル」(700ミリリットル)=1万8,900円(抽選販売)。