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横瀬で放置林の再生プロジェクト 町民ら15人、在来種を植樹

町民や都内や愛知などから「森側」に集まった

町民や都内や愛知などから「森側」に集まった

 横瀬駅から徒歩15分ほどの「ウォーターパークシラヤマ」北岸にある森で3月15日、放置された林を再生するプロジェクト「森側(もりがわ)」の植樹イベントが行われた。町民や都内や愛知などからの参加者約15人が、地域の在来樹種15本の苗木を植え付けた。

苗の乾燥を防ぐための落ち葉を敷き、その上から稲わらをかぶせた。

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 同プロジェクトは、横瀬町が2024年に国土交通省の「グリーンインフラ重点支援地域」に選定されたことを受けて動き出した。IT企業「TIS」(東京都新宿区)が主導し、「モリジェネ」(神奈川県横浜市)がパートナーとして運営を担う。

 現場の近くにはかつて水車や池があり、散歩道として親しまれていた。該当エリアはもともとスギ林で、腰丈ほどのオカメザサが群生し、中に入ることが難しい状態だった。昨年12月から、プロジェクト発起人の伊藤淳さんが妻の美裕紀さんと共に草刈り機で切り開き、イベントを開いて参加者も一緒にはさみを使って手作業でササを刈るなど、地道な整備を続けてきた。

 当日は、作業の妨げになる枯れ枝を片付け、他の植物の成長を邪魔する性質があるスギの葉をレーキで取り除き、苗木が育ちやすい環境を整えた。植栽作業では、それぞれの苗木が日陰と日なたのどちらを好むかに合わせて場所を決定。クロモジ、モミ、ハリギリ、コウヤボウキ、ムラサキシキブ、コナラ、マンリョウなどの苗木を、穴を掘って植え付けた後、近くの横瀬川からくんだ水を灌水(かんすい)した。仕上げに、乾燥を防ぐための落ち葉を敷き、その上から寺坂棚田で譲り受けた稲わらをかぶせた。

 植樹と並行して、物置小屋の組み立て作業も行った。部材は、先月のワークショップで町内の工房「TATELab.(たてラボ)」にあるデジタル木工加工機を使い、秩父産の杉やヒノキの合板から切り出したもの。参加者の手で一枚ずつ組み上げた。後日、扉を取り付けて完成となる。

 参加した同町在住の福手真綾さんは「植樹の作業だけでなく、スギの葉が他の植物の成長を抑えることや、ヒノキやサワラなど木の種類による葉の違いも知ることができて楽しかった」と振り返る。井上雅国副町長は「掃除から植え付けまで、最初のステップを自分たちの手で進められて、すてきな時間だった。森が育つのと一緒に人が集まり、森の成長を見守ったり、心配したりするというコミュニティーが育ってほしい」と期待を込める。

 伊藤淳さんは「ここは完成された場所ではなく、自分たちで考え、実験しながら作っていく場所。これまでも森の明るさを測定するなど、感性とデータの両面で変化を記録し続けている。100年後の森を見据えて、これからも仲間を増やしていきたい」と話す。

 苗の近くには日付入りのくいを打ち、スマートフォンをかざすと情報を読み取れるNFCラベルを設置した。SNSで公開している成長記録などの動画を、現地の苗木と照らし合わせて確認できる。

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