秩父神社(秩父市番場町)の境内で3月13日、日野田保育所(日野田町)の年長児11人が秩父屋台ばやしを披露した。同神社の協力を得て実現したもので、公立保育所による同神社での披露は、花の木保育所が担当した前回に続き2回目となる。
園児は順番に大太鼓、小太鼓、鉦(かね)を交代しながら演奏していた
同市の公立保育所では、地域の伝統芸能を受け継ぐ活動として日常的に屋台ばやしの練習を取り入れている。指導は「秩父屋台囃子保存会」顧問の萩原英一さんが各保育所を回って月1回ほど行い、それ以外の日は教諭たちが練習を支えてきた。日野田保育所の園児たちは昨年4月から約1年間にわたり練習を継続。中には、自宅で食品用ラップの芯をバチに見立てて自主練習に励む園児もいたという。
当日は、保護者や参拝者ら約80人が演奏を見守った。園児たちはそろいの紺色の法被をまとい、大太鼓、小太鼓、鉦(かね)を交代しながら演奏を実施。息の合ったバチさばきで境内に力強い音を響かせた。周囲では多くの保護者がスマートフォンやカメラを構え、園児たちの晴れ舞台を記録する姿が見られた。披露を終えた園児は「いっぱい練習したから、上手にできた」と笑顔を見せた 。
会場には、萩原さんが指導する他の保育所の園児らも教諭の引率で見学に訪れた。見学した園児らは同年代の演奏にじっと見入り、演奏後には萩原さんの元へ駆け寄って手をつないだり言葉を交わしたりする場面も見られた 。
萩原さんは「幼い頃に覚えたリズムは、大人になっても体に染みついて忘れないもの。伝統の音に触れることが子どもたち一人一人の自信になっている。神社という特別な場所での披露が、子どもたちにとって将来に続く大切な思い出になれば」と振り返る。