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ちちぶコーヒー、桜をテーマに限定商品 秩父・清雲寺のしだれ桜保全に一役

(左から)福田健吾さん、歩惟さん

(左から)福田健吾さん、歩惟さん

 秩父のコーヒースタンド「ちちぶコーヒー Roast & Research(ロースト・アンド・リサーチ)」(秩父市熊木町)が3月12日、清雲寺(荒川)のしだれ桜を保護するプロジェクトの第2弾として、限定商品「SAKURAコーヒーバッグ2026」を発売する。同店は昨年の収益の一部で実際に苗木を寄付して植樹を行うなど、地域の桜を未来へつなぐ活動を継続している。

昨年10月8日、しだれ桜の苗木8本を寄付して植樹も行った

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 同寺には、埼玉県の天然記念物に指定されている樹齢約600年のしだれ桜がある。桜の季節には多くの来場者が訪れる一方、根元の土壌が踏み固められることで樹勢への影響が懸念されるなど、観光と保護の両立が課題となっている。同プロジェクトは、貴重な風景を次世代へつなぐ一助になればと、昨年3月に始動した。

 昨年の活動実績として、同店はしだれ桜の苗木8本を寄付し、10月8日には同店を経営するMOJI Product社長の福田健吾さんとプロデューサーの歩惟さんが自ら同寺の境内に植樹した。歩惟さんは「最近現地を確認したところ、しっかりと根付いていて思った以上に成長していた。野生動物などの被害もなく無事に育っている。大きな桜と比べれば今はまだ信じられないほど細い苗木だが、未来のために一本ずつ育てていくことの大切さを感じた」と話す。

 限定商品の味わいは、同寺のある荒川地域出身で、国際コーヒー鑑定士の資格を持つ歩惟さんが設計した。インドネシア、ブラジル、グアテマラ産の中深いり豆を使用。インドネシア産の「Earthy(アーシー=大地を感じる)」なコクで根を張る土壌を、ブラジル産のチョコレートのような甘みで力強い幹をイメージし、グアテマラ産の華やかな酸味で咲き誇る花を表現したという。昨年と同様の設計だが、歩惟さんは「コーヒーは農産物。ロットによる味わいの変化も、桜の開花と同じようにその年の個性として楽しんでほしい」と話す。

 パッケージは、昨年の「大地と幹」をイメージした濃紺から、今年は厳しい冬を越えて咲く「桜色」へ一新した。パッケージは同寺の限定御朱印のデザインに倣い、和紙のような質感の特殊コーティング紙を採用する。提供スタイルは、お湯を注いで浸すコーヒーバッグ型 。今年は、利用客からの要望が多かったコーヒー豆と粉の販売も少量行う。

 歩惟さんは「幼少期のホームビデオにも清雲寺の桜が映っていて、地元の自慢であり愛着がある大切な場所。たまたま自分が荒川出身という縁で、大切な場所の保護に関わらせてもらっている。自分たちは見ることができない100年後の桜の木を思い、長い年月をかけて桜を守ってきた先人への感謝を、この活動を通じて伝えたい。購入した人の積み重ねが、苗木の成長という形になっていくことが何よりうれしい」と話す。

 健吾さんは「観光と保全の両立は難しい課題だが、コーヒーを通じて荒川に人が流れ、地域の循環が生まれるきっかけになれば。これからも継続してプロジェクトを続けていきたい。まずは商品を手に取って、清雲寺を知ってもらうきっかけになれば」と思いを込める。

 価格は、1個=280円、2個セット=650円、5個セット=1,700円。同寺と同店店頭、オンラインショップで取り扱う(同寺ではコーヒーバッグのみ販売)。ちちぶコーヒーの営業時間は10時~17時。火曜・水曜定休。

 同寺では3月26日~4月12日にしだれ桜の一般公開を行い、期間中は会場でも販売を予定する。27日・28日・4月3日・4日の18時~20時は夜間特別ライトアップが行われる。

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