秩父地域に点在する34の観音霊場を巡る「秩父札所巡り」の一部を親子で体験するプログラム「巡礼で楽しむロゲイニング! 12年に一度の秩父札所巡り体験」が3月21日・22日、横瀬駅と西武秩父駅周辺の2コースで行われる。間もなく始まる12年に1度の「秩父札所午歳(うまどし)総開帳」に合わせ、地域の伝統文化に触れる入り口として展開する。主催は秩父・長瀞エリアで自然探求体験を展開するプロジェクト「WITH RIVER(ウィズリバー)」。
コースは21日の横瀬駅周辺の札所2カ所と寺坂棚田を巡る「横瀬コース」、22日の西武秩父駅周辺の札所2カ所と秩父神社を巡る「秩父コース」を用意。地図とコンパスを手に、制限時間内に指定されたスポットを巡って得点を競うロゲイニングの要素を取り入れる。参加者は同企画のために作られたオリジナルの地図を読み、方位や地形を考えながら自分たちでルートを決めて歩き進む。
プログラム作成に当たり、秩父札所連合会事務局長で札所10番「大慈寺(だいじじ)」副住職の斉藤雄大さんが協力。斉藤さんの案内で各札所を巡り、由緒や歴史について指導を受けた内容をベースに、横瀬町歴史民俗資料館の資料や書籍の確認などを加えてコースを設計した。
1月に実施したモニターツアーでは、歩く距離が長く、子どもが飽きてしまう課題が見つかった。所要時間を2時間半にし、歩きやすい区間の札所へと見直した。道中に謎解き要素を設けたり、各札所に飾られている浮世絵「観音霊験記(かんのんれいげんき)」を現代風の紙芝居に仕立てて読み聞かせたりするなど、子どもの視点に合わせた改良も重ねた。
企画発案者は、皆野町出身で同プロジェクトメンバーの矢口琉鈴さん。きっかけは12年前の午歳総開帳で、小学6年生だった矢口さんの夏休みの自由研究だったという。当時、矢口さんは祖父母と共に34カ所の札所を全て巡った。車での移動が中心だったが、歩ける区間はなるべく歩いて巡礼した。御朱印や、各寺で頒布されるハスの花びらを模した色紙「散華(さんげ)」を一枚のシートに集めることが、巡礼を続けるモチベーションになったという。
矢口さんは「よく散歩に行っていた身近な寺が札所だと知らず、巡礼を通して初めて気づいた。当時の自分が感じた発見や面白さを、今の子どもたちにも体験してほしい」と話す。
ガイドは、矢口さんをはじめとする秩父地域出身の若手メンバー約10人が担当する。矢口さんは「寺は誰でも気軽に訪れられる身近な存在だということを知ってほしい。地図や方位磁針の使い方を覚え、自分の力で目的地にたどり着く達成感を感じてもらえれば。今回の体験が、12年後の次の総開帳へ文化をつなぐ種になればうれしい」と期待を込める。
参加費は親子1組(子ども1人・大人1人)8,800円。御朱印の授与は別途。申し込みは体験予約サイト「ギフテ!」で受け付ける。今後、大人向けの札所巡りプログラムも発表予定。