
「北武蔵トラベル(長瀞町観光協会旅行事業部)」(長瀞町長瀞)が9月27日、「宮沢賢治の足跡をめぐるバスツアー 第2弾」を開催する。
案内人は長瀞町文化財保護審議会委員の村田嘉行さんが務める。今回のツアーは、昨年6月の「第1弾・長瀞・皆野・寄居編」に続く第2弾。舞台を移し、「皆野・吉田・秩父編」として賢治ゆかりの地を訪ねる。
宮沢賢治は盛岡高等農林学校(現・岩手大学農学部)在学中の1916(大正5)年9月、教授2人と学生23人で秩父地域を訪れ、地質巡検旅行を行った。多数の岩石・鉱石を採集するとともに、旅の途上で数多くの短歌を詠詠んでいる。
旅行中、賢治は1年後輩で親友の保坂嘉内宛に詠んだ短歌を小鹿野町から葉書で送った。村田さんは「『山かひの町の 土蔵のうすうすと 夕もやに暮れ われら歌へり』は、皆野町の土蔵が並ぶ町並みを夕暮れ時に仲間と歌いながら歩いた様子を詠んだもの。『霧はれぬ 分かれてのれる 三台のガタ馬車の屋根は ひかり行くかな』は、小鹿野町に向かう一行25人が、馬車3台に分かれて乗り込む情景を描いている」と解説する。
当日は寄居駅北口をバスで出発し、賢治の足跡をたどり、梅乃屋旅館跡、親鼻橋近くの紅簾石片岩、栗谷瀬橋下の蛇灰岩、大渕馬車発着場跡、国神小跡、白砂公園、角屋魚惣旅館跡、当時の秩父駅駅舎を見学。白砂荘では秩父名物のそば、みそポテト、みそ豚丼、しゃくし菜などを提供する。
村田さんは「今回のツアーは、賢治がこの地に訪れた9月の開催。この地域の風景を、同じ季節に味わっていただけたら。賢治が好きな方に来ていただきたい。食事や秩父での買い物も併せて楽しんでもらえれば」と参加を呼びかける。
参加費は小学生以上8,500円(昼食・入館料込み)。募集人数は25人で、最少催行人数は18人。申し込みは北武蔵トラベルのウェブサイトで受け付ける。