
秩父市内で綿あめやかき氷を販売する「福の縁」(秩父市東町)が9月14日、三沢八幡大神社(皆野町三沢)の例大祭での出店を皮切りに秩父産ブドウを使った新作かき氷の提供を始める。使うのは、ちちぶ山ルビー、シャインマスカット、巨峰の3品種。
「福の縁」を営むのは、秩父市内で2021年から家財整理や生前整理などを行う福井将人さん。実家では葬祭業「福井葬祭」(東町)を営んでおり、家業を支えながら自身でも事業を展開している。将人さんは、かつて一般企業の営業職として秩父郡市の家庭を約20年にわたり訪問してきた経歴を持つ。
2023年11月、兄・浩気さんが手がけていたオーガニック綿あめの事業をのれん分けのかたちで受け継ぎ、妻・沙織さんとともに展開。イベント出店や土産品としても販売している。一方で夏場の露店販売では綿あめが湿度や気温の影響を受けやすいことから、昨年4月から新たに「秩父かき氷」という屋号でかき氷の提供も始めた。
かき氷にかける果汁シロップやコンフィチュールは全て手作りで、原料には秩父産の果物を使用。甘みは綿あめの原料でもあるオーガニックシュガーのみで調整し、保存料・着色料・香料は一切使わない。かき氷は天然氷のような口当たりを目指し、秩父源流水を冷凍庫で48時間以上かけて凍らせている。
今回メニューに加わるブドウはいずれも秩父地域の農園から仕入れたもの。中でも、「ちちぶ山ルビー」は秩父地域のオリジナル品種で、生産量が少ないことから購入数を制限する農園もある。将人さんは数軒の農園で仕入れを断られたが、営業時代に通っていた農園にかき氷の機材を一式持ち込んで試食してもらったところ、好意的に仕入れられることになった。
将人さんは「ちちぶ山ルビーのかき氷を作ってみたいと思っていた。どれだけ入荷できるかも手探りだったので、ようやくメニュー化できてとてもうれしい。シンプルな作り方をしているので、氷と秩父の果実を味わってもらえたら。ミニサイズも用意しているので、食べ比べもお勧め」と話す。
メニューは、ちちぶ山ルビー、シャインマスカット、巨峰、あまりん(イチゴ)(以上800円)、ブルーベリー、ラズベリー、ゆず、みかん(以上700円)、各種ミニサイズ(500円)。2種類のシロップをかけるダブルブドウ、ダブルベリー(以上800円)、ゆずみかん(700円)も提供する。
今後は、9月21日・22日=クラフトフェア(西武秩父駅前サブ会場のすぐ隣)、10月13日=キッズフェスタ(長若集学校)、同19日=里山アートピック(Mahora稲穂山)などの地域イベントに合わせ出店を予定する。