
小鹿野町のワイナリー「秩父ワイン」(小鹿野町両神薄)が「日本ワインコンクール2025」で銀賞1点と銅賞3点を受賞し、7月25日に発表された。
国産ブドウ100%を使った日本ワインを対象とする同コンクール。審査は7月9日・10日に甲府市内で30人の審査員によって行われた。同社は例年同コンクールに出品しており、これまでで最多の入賞数となった。
秩父ワインは1940(昭和15)年、浅見源作さんが創業した。ワインがまだ一般的でなかった時代から試行錯誤を重ねてきたワイナリーで、現在は5代目の島田昇さんが社長を務める。兄の昇さんと共にワイナリーを支える妹の村田道子さんはソムリエ資格を持ち、取締役として醸造や販売に携わっている。ブドウは10品種を自社栽培し、ワインは20~25種類を醸造。醸造は6人ほどで行い、販売も含め少人数でワイナリーを運営している。
昨年までは島田さんが出品銘柄を選んでいたが、今回は醸造や販売を担うメンバーも一緒に試飲を重ねて10アイテムを出品した。入賞したワインは「源作印 GKT 白」(銀賞)、「源作印 KARASAWAメルロ リムーザンオーク 2020」「源作印 甲州 樽(たる)貯蔵 2021」「源作印 甲州 シュールリー 2024」(以上、銅賞)の4アイテム。
このうち「GKT 白」「シュールリー」は、同じ甲州種のブドウ果汁から造られたワイン。圧力をかけずブドウ自身の重みで搾った果汁を使い、発酵をした後シュールリー製法(オリと一緒にタンクで6カ月間置く)で造ったワインの中から特に香りや味わいの優れたワインをその年の「甲州シュールリー」と決めリリースしている。村田さんは「シュールリーの方が高評価になると予想していたが、実際には『GKT 白』が銀賞を受賞した。GKTもシュールリーも、比較的手頃な価格で日常的に楽しんでもらえるワイン。気軽に味わってもらえたらうれしい」と話す。
各ワインは同店直売所のほか、県内の酒販店、百貨店、道の駅、スーパーマーケットなどで販売。ネットショップでも扱う。価格は、源作印 GKT 白=2,090円、源作印 KARASAWAメルロ リムーザンオーク 2020=5,940円、源作印 甲州 樽貯蔵 2021=3,300円(以上720ミリリットル)、源作印 甲州 シュールリー 2024=2,750円(750ミリリットル)。直売所の営業時間は9時~17時。無料で試飲も行っている。
表彰式と一般向けの公開テイスティングイベントや出品ワイナリー交流イベント・生産者セミナーなどは8月30日、山梨県庁特設会場で開かれる予定。