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秩父三大氷柱「小鹿野町尾ノ内渓谷」 つり橋の上でカラオケ大会

尾ノ内渓谷観光事業推進委員会メンバー

尾ノ内渓谷観光事業推進委員会メンバー

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 手作りの氷柱で観光名所となっている「尾ノ内(おのうち)渓谷」(小鹿野町河原沢)のつり橋の上で6月15日にカラオケ大会が開催され、子どもから80代までの100人余りが参加した。

司会者に感想を聞かれる出演者

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 渓谷に架かるつり橋は高さ約30メートルで、1996(平成8)年に同町が設置したもの。北側には二子山を望み、下に流れる尾ノ内沢は両神山を源流とし赤平川に合流する。シャクナゲが見頃を終えた5~6月は、針葉樹や原生林の広葉樹、植栽したモミジやツツジなどの木々が多様な青葉の色彩を見せる。

 主催した尾ノ内渓谷観光事業推進委員会は、同氷柱の運営を目的に発足した組織を母体とし、四季を通した観光化に取り組むため、2023年7月に発足した。初年度は親子向けに「森の中の上映会」を開催。かねて住民より「尾ノ内渓谷でカラオケをしてみたい」という声が上がっていた中、氷柱会期後の懇親会で若手メンバーが「つり橋の上で歌ったら面白い」と言ったことから企画が具体化した。4月末に開催が決定してから、口コミやSNS上で告知した。

 出演者は、順番につり橋の中央へと進み、滝つぼと両神山を背景に、自ら選んだ歌を一曲ずつ歌った。司会者に感想を聞かれた出演者は口々に「気分が良かった」と話し、観客席にいた人が途中から飛び入り参加する姿も見られた。河原沢地区住民を中心に地区出身者や、森真太郎町長、商工会青年部員のほか、カラオケ同好会の仲間として両神地区や小鹿野地区からも27人が歌った。

 同委員会のメンバーは数日前から自主的に林道の清掃を行い、当日は雨天対策としてブルーシートで観客席を覆い、遊歩道も重機で整備。駐車場係や音響もメンバーや仲間が対応し、女性らがたらし焼きや串だんごを作り販売した。

 夫婦で出演した河原沢在住の岩崎照久さんと道代さんは、それぞれ「アメリカ橋」「秩父山脈」を歌い、「見慣れたつり橋だが、ど真ん中で歌ったのは初めて。カラオケボックスではない、大自然の雄大さに感動した」と振り返る。

 同委員会事務局長の高橋美正さんは「いつかはカラオケ大会をやりたいと思っていたが、若手の発想を生かし発信力を借りることで、非日常的なイベントが実現できた。河原沢地区は少子高齢化が進むが、氷柱で培った地元の結束力を土台に、幅広い世代や地区内外の人、役場とも協力し合い、取り組みを持続可能にしていきたい」と話す。本年度中に2回目の開催を目指す。

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