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小鹿野町で「雑談から始まった」化石館マルシェ 3年目もにぎわう

実行委員会メンバーと出店者の記念写真

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 小鹿野町奈倉地区にある「おがの化石館」(小鹿野町下小鹿野)で6月8日、イベント「化石だョ!全員集合 化石でワッショイ、マルシェでドン!」が開催された。実行委員会と小鹿野町生涯学習課の共催。当日は、化石館入館500人、出店者・スタッフ・ボランティア約100人、イベント参加約100人、マルシェ利用約200人、計1000人が来場した。

SingSingChichibuによるコーラス

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 秩父ジオパークの主要拠点であり、国の天然記念物に指定されている「ようばけ」の近くにある町営施設である同館では、同町般若で産出された天然記念物「パレオパラドキシア」の骨格復元模型のほか、古秩父湾のチチブクジラの化石など国内外の珍しい化石を展示している。

 イベント開催のきっかけは、コロナ禍が収束し始めた2023年3月、同町在住の新井陽子さんと加藤優子さんが同館の芝生の上で「この場所は気持ちがいいね。ここに人が集まって、楽しいことができないかな」と会話したことだった。知人や同館を主管する生涯学習課に話して賛同を得たことから、「人・モノ・コトが集う」をコンセプトに、同町だけでなく秩父郡市に住む人や地域にゆかりのある人に向けて企画。着想から約2カ月後に実現へとこぎ着けた。

 2023年5月、「かせきtoマルシェ~つどう、めぐる、つながる市場~」と題して1回目を開催。秩父郡市内の飲食店やクリエーターのほか、地元の若連などにも声をかけ、17店が出店。ようばけや水辺の生き物を見学するガイドツアーやコンサート、らくご人形劇を盛り込んだところ、入館者数は400人以上を数えた。昨年は「注文の多い化石館~宮沢賢治と石をたのしむマルシェ2024~」として開催。町職員も会場準備や駐車場係などを手伝った。

 3年目となった今年は34店が出店。周辺地域を巡りゴム印を押す「なぐ朱印」を手作りし、来場者に奈倉地区の歴史・文化について知ってもらう仕掛けも取り入れた。化石館の展示物をモチーフにしたオリジナルの手ぬぐいを出店者やスタッフにも配布し、見えるように使ってもらうことで会場の一体感を高めた。当日は、さいたま市や入間市などからの参加者もあり、ガイドツアーには幅広い世代が参加。開会と閉会時は、イベント名のモチーフとした「8時だヨ!全員集合」をオマージュした「おいっすー」のかけ声が会場に響き渡った。

 「組み立てたのは自分たちだが、出店者やスタッフが仲間意識を持ち、それぞれの持ち場で支え合ってできたイベント。どうすれば来場者に心地よく過ごしてもらえるか、喜んでもらえるかを、自分事として行動してくれた」と新井さん。加藤さんは「ここまで続けられたのは、小鹿野町を大好きな住民として、営利も名誉もしがらみも関係なく、とことん面白がることに労を惜しまないから。みんなも楽しんでくれるので、新しく参加する人も楽しめる場になっているのでは」と振り返る。1年目から参加しているピアニストのMIRAIさんは「中心になる人たちが、イベントに関わる一人一人を大切にしてくれる。それが当日のイベントの雰囲気にもなった」と話す。

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