
秩父さくら湖(浦山ダム、秩父市荒川久那)で5月30日、カナディアンカヌークラブ「Bencher(ベンチャー)」(秩父市荒川上田野)が主催する清掃活動「秩父さくら湖ゴミゼロデー2025」が行われた。
カヌーやスタンドアップパドルボード(SUP=サップ)に乗って湖上からごみを回収する取り組みで、秩父さくら湖を管理する水資源機構荒川ダム総合管理所と連携して実施した。活動は毎年5月30日の「ごみゼロの日」近辺に行っており、今年で3年目となる。
当日はあいにくの雨となったが、一般13人と水資源機構の職員9人が参加。秩父おもてなし観光公社のユーチューブチャンネル「おもてなしTV」の取材や、清野和彦市長、防災分野での活動でも知られ「四万十塾」を主宰する木村とーる塾長も清掃活動に加わった。参加者はカタマラン型のカヌー3艇に分かれて乗船し、回収作業の補助としてサップ1艇も随行した。サップとの連携は今回が初めて。
風や地形の影響でごみが集まりやすい場所を中心に巡回し、岸沿いでは上陸してごみの回収を行った。カヌーで接近しづらい場所にはサップが入り、拾い集めたごみをカヌーに積み替えるなどの姿も見られた。岸辺ではペットボトルやタイヤ、チャイルドシートなどの大型ごみも見つかったり、斜面の上部に引っかかったごみの回収で苦労したりする場面もあった。回収後の処分については、水資源機構が車両を手配して対応した。
同社は年間を通じてカヌーやサップを使った湖上ツアーを行っており、日頃から湖の環境を見守っている。同社の幸田朋子さんは「ツアーを続ける中で、ペットボトルなどのごみが目に入り、嫌な気持ちになることがあった。日々拾ってはいるが、水に関わる人たちと一緒に日を決めて集中的に取り組めば、もっと意義のある活動になると思った」と振り返る。
清野市長は「以前から訪れていたが、改めて街からとても近い場所に自然を感じられる湖があると再認識した。秩父が持つ自然資源の豊かさに改めて気付かされた」と話す。
同社代表の松本芳行さんは「秩父は多くの人の飲料水の水源であり、こうした清掃活動には意味がある」と話す。「この湖は観光船もボートもない静かな場所で、チャート岩盤に囲まれた地形が特徴的。秩父ジオパークの価値が体感できる。この素晴らしい環境を知ってもらうきっかけとしても、こうした活動を続けたい」とも。