
小鹿野町の原島達明さん宅にある「Hall REISUI(ホール・レイスイ)」(小鹿野町三田川地区)で5月11日、第15回「そよ風コンサート~花光るメロディ 春に咲くソプラノの歌声」が開かれた。
当日、ソプラノ歌手の豊田麻理奈さんとピアニストの渋川ナタリさんが演奏を披露。渋川さんはドイツ人の父と日本人の母のもとで生まれた。2人は群馬県前橋市出身で同じ中高、大学と進み、東京芸術大学を卒業した。
豊田さんは「春や花にちなんだ歌詞が入っている曲を多く選んだ。母の日なので、後半はお母さんについて描かれている歌。クラシック以外でも、映画、ミュージカルなど、ジャンルを超えて楽しく演奏していきたい」、渋川さんは「ドイツの5月は一斉に色づく美しく特別な季節」と話した。
瀧廉太郎の「花」に始まり、童謡やクラシック、ドイツリート、ピアノソロが演奏された。原島さんの三男の教道さんもチェロで2曲参加し、合計21曲を披露した。達明さんは「同じ町の音楽家の演奏を地元の方へ聴いてもらう機会が持てて良かった。今日の母の日や春の花をテーマとする心遣いが素晴らしい」と振り返る。
豊田さんは、同町にある「シュールベルクドレミ会音楽教室」主宰の豊田卓央さんとの結婚を機に、11年前より秩父に在住し同音楽教室の講師を務めている。本年度からは同町内の4小学校が統合した「小鹿野小学校」校歌の作曲を手がけた。作曲に当たり、群馬県在住の作曲家・西田直嗣さんからアドバイスをもらったという。
当日は、来場していた数人の子どもたちと共に新校歌を披露。作詞した木村英一さんも登壇し、新校歌ができるまでの苦労を話した。
親子で参加した小学6年生の児童は「歌がすごくきれいだった」、40代の母親は「知っている曲もあったし、一つ一つ解説もしてくれたので分かりやすかった。アカシアの花を実際に見せてもらったり、匂いをかいだりして情景が浮かんだ」と話す。
豊田さんがミュージカルを指導している40代女性は「春や花をテーマとした情景がすごく伝わり、そよ風の中で緑を眺めながら、気持ち良かった。素晴らしい演奏が聴けて、心豊かな充実した幸せな時間が過ごせた」と振り返る。
次回公演は10月26日を予定。オーストリアのウィーンからウィーンフィルハーモニーの元ビオラ奏者、マリオ・カルヴァンさんを迎える予定。