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手すき和紙の「卒業証書」 東秩父村で今年も2万枚製造

手すき和紙の「卒業証書」づくり

手すき和紙の「卒業証書」づくり

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 和紙作りが盛んな東秩父村の「東秩父村和紙の里・工房」(東秩父村御堂、TEL 0493-82-0735)で現在、手すき和紙の卒業証書が作られている。

東秩父村「和紙の里」外観

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 埼玉県内の高校を中心に東京都や群馬県などの幼稚園や保育園や学校から依頼を受け、7月~11月にかけて約2万枚の卒業証書を製造した。

 東秩父村周辺では1978(昭和53)年、東京の幼稚園から和紙で作った卒園証書の依頼を受けたことをきっかけに製造を始めた。昭和60年代には和紙作りをする工房などが県内の高校に働き掛けたことから、和紙の卒業証書が広まった。

 和紙の卒業証書には透かしで校章や校名が入っているが、それは和紙をすく時の簀(す)に、校章をかたどったばんそうこうを貼り付けることでできる。乾燥させた和紙は一枚ずつ、はみ出た部分を切り取る「ばりとり」という作業を行い丁寧に仕上げる。

 素材は大部分がパルプだが、近隣の小川町など一部地域の学校の卒業証書には、東秩父村産のコウゾを100%使った特別なものもあるという。

 工房スタッフの小山妙子さんは「卒業証書が東秩父村で作られている手すきの和紙と気付かない子どもたちも多いが、この証書が子どもたちに届き、無事卒業できることを願いながら、一枚一枚、心を込めて作っている。卒業証書をきっかけに、和紙に興味をもってもらえれば」と話す。

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