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「横瀬そば会」が在来種そば提供 花咲山公園10周年と札所総開帳に合わせ

(右から)武藤さんと田端将伸さん

(右から)武藤さんと田端将伸さん

 横瀬町で活動する「横瀬そば会」が4月12日から、町内の遊休農地で栽培した秩父在来種のそばの提供を「そば処 伸平(しんべい)」(横瀬町横瀬)で始める。普段は3~4人以上の完全予約制で営業している同店だが、12日の「花咲山公園10周年記念イベント」や現在行われている12年に1度の「秩父札所午年(うまどし)総開帳」に合わせ、1週間限定で一般に開放する。

そばの香りをより楽しんでもらうため、海苔はかけない

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 札所5番「語歌堂」から6番「卜雲寺」へ向かう巡礼道沿いに位置する同店。12日は近隣の「花咲山公園」で開園10周年の記念式典や地元飲食店の出店、演奏会、約6000球のチューリップの飾り付けなどを行う。当初は同会もイベント会場での出店を検討したが、保健所の指導や天候の影響などを考慮し、同会の一員が店主を務める同店での提供を決めた。

 同会は、店主の田端伸夫さんが中華料理店を営む傍ら、そば打ちを始めたことがきっかけで立ち上がった。その後、友人だった武藤量司さんらが加わり、組織としての活動が始まった。補助金を活用してコンバインを導入したことで、手作業だった収穫が機械化され、収量を大きく増やす体制が整った。現在は町内23カ所、約4ヘクタールの農地を管理する。栽培には苦労も多く、300キロの種をまいても480キロしか収穫できない年もあるが、昨秋は過去2番目に多い約2200キロを収穫した。収穫した実は農協の検査で品質の高さから「1等」に分類された。

 栽培から収穫、製粉、調理、販売までを全て会員が行う。「商売ではないからこそ、こだわりたい」との思いから、愛知県まで石臼に使う石を買いに行き、摩擦熱が発生しにくい石臼も自作した。

 提供するメニューは「盛りそば」(1,000円、2杯目は500円)のみ。自作の石臼でひいた粉を使い、1~1.5ミリほどの薄さに伸ばして切り、約45秒でゆで上げる。つゆは味のコクが出るように2種類の砂糖を使い、カツオや昆布、しょうゆ、酢などを合わせて仕込む。自ら栽培した米で醸造し、埼玉県内初の「どぶろく特区」認定を受けた自家製どぶろく「花咲山」(ミニグラス=500円、300ミリリットル=1,000円、720ミリリットル=2,000円)も用意する。

 スタッフは平均年齢70代後半のベテランが中心。限られた人数で切り盛りするため、同会では「時間に余裕を持って訪れてほしい」と呼びかける。提供は1日50食程度を目標とするが、近隣に打ち場があるため状況に応じて追加で打つことも検討している。

 武藤さんは「昔からの友人たちと楽しみながら、こだわって作っている。昨年は農協からも品質が良いと言われたそばがたくさん取れた。次は秋の横瀬まつりまでイベント出店は決まっていないので、この機会にぜひ食べてほしい。巡礼の合間や公園の散策がてら、気軽に立ち寄ってもらえれば」と話す。

 営業時間は11時~14時(ラストオーダー)。4月19日までは毎日営業し、それ以降は状況を見て継続を判断する。

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