「よこらぼ大会議2026」が2月14日、横瀬町町民会館(横瀬町横瀬)で行われた。横瀬町の官民連携プラットフォーム「よこらぼ」の歩みを振り返り、今後の展望を議論する同イベントには、町内だけでなく県内外から約180人が集まった。
冒頭、同町の富田能成町長が登壇。よこらぼを通じて多様なチャレンジが生まれた実績を振り返り、「よこらぼは横瀬町限定ではなく、今や秩父地域全域で柔軟に連携する枠組みができつつある。今日のイベントでは横瀬で始まった取り組みを秩父広域のフィールドへ広げ、深掘りする機会にしたい」と期待を寄せた。会場には森真太郎小鹿野町長、黒澤栄則皆野町長も姿を見せた。
基調講演では、清野和彦秩父市長が札所巡礼の装束である「笈摺(おいずる)」や「巡礼笠(じゅんれいがさ)」「金剛杖(こんごうづえ)」を身に着けて登場。「荒川流域圏構想と官民連携」をテーマに、水源地からつながり直す重要性を説いた。清野市長は「流域のつながりで上流と下流が助け合う、フェーズフリーな連携が楽しく続くことが大切」と述べ、伝統文化や祭りと同様、楽しみながら取り組む姿勢を強調した。
続くセッションでは富田町長をファシリテーターに、よこらぼ審査会長で中小企業診断士の黒澤元国さん、秩父市商店連盟連合会の島田憲一会長、社会福祉法人「清心会」の岡部浩之理事長らが登壇。黒澤さんは累計280件に及ぶ提案を振り返り、「提案者と町が共に『win-win』の関係か、互いのメリットが長く続くかを重視してきた」と審査の指針を語った。島田さんは自身の体験から「いかだで川から街を見るような、楽しみを伴う盛り上げを考えたい」と話し、岡部さんは「秩父の祭りに根付く受容性を生かし、福祉とのタイアップも進められたら」と展望を話した。
第2部ではチャレンジャーらによる3分間のピッチが行われた。前半は地元住民ら9組が登壇。秩父高校3年生の野坂夏基さんは「秩父郷土かるた」を通じた多世代交流の成果と商品化への意欲を発表し、秩父札所連合会事務局長の斉藤雄大さんは、秩父札所の日本遺産認定を目指すことを公の場で初めて明かした。後半は、よこらぼを機に同町と関わるようになった企業や学校など5組が登壇。ドローンによる獣害対策や、5年以上続く学生のフィールドワーク、他地域の高校生チームなど計14組が多岐にわたる活動を報告した。
第3部のパネルディスカッションでは、井上雅国副町長が進行を務めた。登壇者は、よこらぼで最多の採択実績を持つ浅見制作所の浅見裕さんとTISの伊藤淳さんの2人。町民の立場から、「よこらぼの次のアクションへ」をテーマに議論し、挑戦を一時的なものにせず、町民が自分事として支え、「炭火のようにじわじわと燃え続ける仕組み」の必要性を共有した。
会の最後には、10年間にわたり同事務局として伴走してきた役場職員の田端将伸さんを富田町長が紹介。田端さんは3月末で同町役場を退職する。よこらぼにはこれまで、田端さんをはじめとする多くの職員が、二人三脚で提案者と向き合ってきた。田端さんは「入職以来、公務員だからこそできたことに一生懸命取り組んできた。よこらぼを積み重ねてきて、見えてくるものが変わった。今後は一住民として、自らもチャレンジする側になって町に関わっていく」と決意を述べ、会場は温かい拍手に包まれた。